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ハジミア・フェンリング伯爵
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イルーラン・コリノ:未公開の記録 -- 注釈46671.03(カイタン研究所の資料館)
ハジミア・フェンリング伯爵との関係を説明するのは、難しいことだ。彼は私の人生に常に関わっていた存在で、まるでとても親しい叔父のような人だった。それなのに、私は伯爵と些細な会話すら交わしたことがなかった。

彼の母親が修女会の者で、彼と私の父の乳母を務めていたことは知っている。いろんな節目を共にしたので、彼らの人生が交わることは必然だったのかもしれない。

あの状況で、二人の少年の間に特別な絆が生まれるのは容易に想像できる。一人があり得ないようなお願いをして、もう一人が躊躇なくそれに応える。そんな絆だった。

私にとってこんなにも身近な存在でありながら、フェンリング伯爵について知っていることがほとんど客間や宮廷で聞いたことなのは、実に不思議なものだ。私が知っているのは、彼の分析的な狡猾さが演算能力者に、武勇がソードマスターに、そして彼の残酷さが父に匹敵するということだ。
パイター・ド・フリースからウラディーミル・ハルコンネン男爵への秘密の手紙
男爵閣下、

最悪の事態に備えなければなりません。エンジニアリング団からの最終報告書はまた受け取っておりませんが、風の袋の精製器が修理不可能と判断されるのは避けられないようです。

この破壊工作の責任が我々の部下ではなく、公爵の部下にあることは、誰の目から見ても明らかなことです。フェンリング伯爵もハルコンネン家を責めるでしょう。我々に経済的なダメージを与え、評判も傷つけようとしているのは明らかです。これも全部、男爵の鈍感な甥、グロスのおかげです。

グロスは男爵を感心させようとするあまりに、潰そうとした事業の真の所有者を調べ損ねたのです。ムーンフィッシュ産業は確かにカラダン固有のものです。アトレイデス家の利益とも密接に結び付いています。しかし、ハジミア・フェンリング伯爵ともつながっていたのです。実際のところ、フェンリングの財産の約三分の一がムーンフィッシュ産業と関係していることが判明しました。少なくとも男爵の甥がムーンフィッシュの釣果をすべて台無しにしてしまうまでは。

けだものの愚行は我々が背負う重荷となります。フェンリングは、手に負えない供給不足を補うために、必ず我々の香料の割り当て量を上げてくるでしょう。通常のやり方では、この問題は解決できかねません。


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