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ハガ峡谷
ハガ峡谷
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アトレイデス家の脱走兵の乾燥した遺体から見つかったメモ ハガ峡谷は、我々の名誉の共同墓地となってしまった。我々を導いたのは、コバルト華だった。ギルドの息の詰まるような独占市場の中、どちらの領家も、なかなか相手より有利な立場に立つことができず、苦戦していた。だから双方の主人たちは、得られるものだけでも入手すべく、我々をここへと送り込んだ。 我々の一斉攻撃で命を落としたのは、入植者と基底民だった。最終的に、多くの者が任務を放棄した。問題は、幻想から逃げ出した者もいれば、略奪の欲に負けて逃げ出した者もいる、ということだ。結局、意見を違えてお互い殺し合いになった。私は基底民を殺そうとした仲間を、3人殺した。基底民は救えなかった。苦労の甲斐なく、自分が怪我を負っただけだった。 長くは持たないだろう。ハガ峡谷は、崩壊した橋、荒廃した採掘小村、撃ち落とされたソプターと遺体の墓場と化している。私も、じきに遺骨の山に仲間入りだ。悪魔の口内の歯のごとく、私たちのような遺骨とコバルト華が輝くのだ。 |
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